
【総括】
平成22(2010)年度は、新市長の新たな行財政改革プランに関連し、行政と市民との協働の観点が明確に示されたことを受け、鳩山前政権下で提唱された「新しい公共」の概念にもとづき、「官」・「民」・「公」それぞれの社会セクターの位置づけや役割分担について、とりわけ自治体のあるべき役割についてを、施策分野別に精査・追求するという課題テーマを反映させつつ、政務調査を行った一年であった。
その中でも、従来からのテーマである、地域に住む市民の生活の質の向上、セーフティネットの強化についても、引き続き、発展的な調査研究を行い、一貫した論点分析と整理とを行った。
【市民協働施策】
市でまとめられた「行財政改革アクションプログラム」のうち「市民協働」のあり方についてを、欧米などの先進自治体や全国の自治体の先進事例とともに比較検討。現在の日本のNPOの抱える財政難や運営上の問題点を調査研究することで、「市民参加ガイドライン」の改善点、実態を踏まえたNPOへの支援体制づくりに関する要点を分析し、まとめた。
【文化観光行政】
民間公募・提案型公共事業も含めた、文化観光施設サービス事業の可能性について、内外の事例を調査検討するとともに、関西圏を含めた観光客の動向についてを分析。文化観光行政の抱える問題点や注意すべき論点を整理・総括した。
【住宅政策】
いわゆる「ハウジングプア」や賃貸住宅不足という昨今の事情に鑑み、全国の住宅供給の現状、若年世代、ファミリー世代、高齢者など世代別の住宅供給の現状、さらには公営賃貸住宅の種別や耐震化事業、木造住宅密集地域の再活性化および防災対策、孤独死対策について、内外の先進事例等をもとに調査分析した。
そのうえで堺市における市営住宅の老朽化対策や空き戸の活用とともに、市の住宅政策のハード面とソフト面の両面についての充実、住宅別の居住状況調査と、地域住民やボランティアとの協働の必要性といった論点を整理・総括した。
【環境・景観保護施策】
現在堺市において策定中の「マスタープラン」および各区の「まちづくりビジョン」の策定根拠となった市民アンケート調査結果などを参照し、とりわけ地元である堺区における、居住環境および景観保護の必要性に関して集中的に分析・検討を行った。
また現在市内の小中学校で導入が進められている「太陽光パネル導入事業」について、環境教育への活用が不十分である実態をヒアリングするとともに、ドイツをモデルに全国の自治体で現在進められている「光熱水費等削減分還元事業」の導入可能性、および省エネ活動に対する教育的効果について調査・検討した。
【教育行政】
現在市で実施されている、教員養成講座「堺ゆめ塾」事業の内容や進捗状況を、全国の自治体での教員養成講座企画との比較で調査し、要改善内容を検討した。
同じく市が小・中学校向けに実施している放課後学習のための「マイスタディ事業」についてヒアリングを行ない、効果検証を図るしくみづくりやスタッフの確保、コーディネーターの役割強化の必要性等について、論点整理を行った。
小中学校におけるキャリア教育および環境教育についても、堺市で実施されてきた地域連携型プロジェクト事業の検証や成果とともに、今後市で開発予定のモデルカリキュラムのあり方について、参考になる海外の先進事例等との比較調査・研究を行った。
【動物愛護行政】
同じく継続して取り組んできた「動物行政」に関して、全国の愛護センター施設の設備やサービスの現状を調査し、老朽化が進んでいる堺市動物指導センターの施設整備について問題点を総括した。
とりわけ最近、堺市内をはじめ全国的に野良猫への虐待事件や遺棄が多発している事態を調査するとともに、動物虐待と凶悪犯罪との密接な関係についての犯罪学上の調査研究結果をもとに、地域ぐるみでの防犯、犯罪防止のための動物愛護の必要性について総括した。
同じく問題化している学校園での飼育動物の杜撰な飼い方やネグレクトなどの実態について、市内の学校園でもヒアリングを行い、堺市における動物虐待の実態調査、飼育管理の改善、餌代や治療費などの必要経費の予算化の必要性、といった論点をまとめた。
▼2009年の活動総括
